検索パフォーマンスデータを投稿画面でチェックできる「Query Hunter」の使い方

検索サイトからのアクセス数を伸ばしたいなら、Search Console の検索パフォーマンスデータを活用して過去記事をリライト・改善するのが一番だ。

しかし、Search Console と WordPress 投稿編集画面を何度も行き来するのは面倒だし、どこを見て何を改善すればよいか、いまいちピンとこないかもしれない。

そんなときは、WordPress 無料プラグイン「Query Hunter」を使ってみてほしい。設定方法と活用方法を解説していく。

Query Hunter とは

Query Hunter は WordPress 公式ディレクトリに登録されていないプラグインで、利用は自己責任となる。

また、日本語翻訳ファイルは用意されておらず、サポート(開発者)への問い合わせも英語となるので注意してほしい。データの閲覧・チェックは問題なくできる(日本語クエリが表示される)。

開発者の Twitter アカウント(@fatjoedavies)

このプラグインの特徴は以下のとおり。

  • WordPress 投稿編集画面でその記事のデータを確認できる
  • 改善が必要と思われるクエリに絞ってデータを閲覧できる
投稿編集画面に表示されている QueryHunter
投稿編集画面下部に Search Console データが表示される

WordPress 管理画面でデータチェックできるだけではなく、改善ポイントも教えてくれる、という便利なプラグインだ。

どちらかというと中級者以上に向いているが、のちのち使うことを考えて、本記事をブックマークしておいてほしい。

うまく活用すれば、検索流入を伸ばしていけるだろう。

Query Hunter ダウンロード・インストール

Gumroad でプラグインをダウンロード

プラグインは Gumroad で入手できる。

Query Hunter

価格を任意に設定できる配布方法となっており、ゼロ(円)も可能だ。

Query Hunter 購入ページ

価格を入力したあと「これが欲しいです!」をクリックし、メールアドレスを入力する。

Query Hunter チェックアウトページ

関連商品(Query Hunter 公式ガイド)の追加購入が提案されるが、ここでは「追加せずに続行」を選択。

Query Hunter 追加せずに続行

メール認証などはなく、すぐダウンロード画面が表示される。「インストールガイド」と「プラグイン本体」をダウンロードしておこう。

Query Hunter 本体をダウンロード

※ インストール方法は以下解説していくので本体のみでも OK

プラグインをアップロードしてインストール

ダウンロードした本体ファイルは展開せず、そのまま WordPress のプラグイン新規追加画面でアップロードしよう。

プラグインをアップロード

インストール後、有効化しておく。

プラグイン有効化

Query Hunter 設定方法

つづいて Query Hunter を使えるようにするための設定を行っていく。

Search Console API を利用するので難しく感じるかもしれないが、手順どおりに進めていけば大丈夫だ。

Google Cloud Platform 利用登録

Google Cloud Platform を初めて利用するなら、最初に登録しておこう。

Google Cloud Platform

利用規約確認欄にチェックを入れ、「同意して続行」をクリック。

Google Cloud 利用規約同意画面

「プロジェクトの選択」から、「新しいプロジェクト」をクリック。

Google Cloud 新しいプロジェクト

プロジェクト名は、自分でわかりやすいものでかまわない。ここでは「Search Console WordPress」としておく。

Google Cloud プロジェクト名を入力して作成

Google Search Console API 設定

プロジェクトを作成したら、Google Search Console API の利用申請と設定をしていく。

Google Search Console API (Google Cloud)

上記リンクにアクセスし、「有効にする」ボタンをクリック。

Google Search Console API 有効にする

画面が切り替わったら、左側メニューの「認証情報」に進む。

Google Search Console API 認証情報

「+ 認証情報を作成」から「サービスアカウント」を選択。

Google Cloud 認証情報 サービスアカウント

サービスアカウント名は自由につけてかまわない。ここでは「WordPressKeywords」とした。

アカウント ID は自動生成されるので、そのまま「作成して続行」をクリック。

Google Cloud サービスアカウントの詳細

2 つ目の項目でアクセス権を設定する。「オーナー」を選択しておこう。

サービスアカウントの役割を「オーナー」に設定

3 つ目は空白のままにしておき、「完了」をクリック。

サービスアカウント作成完了

シークレットキー作成

認証情報画面に戻されるので、作成したサービスアカウントのメールアドレスをクリックする。

サービスアカウントを選択

「キー」タブに移動し、「鍵を追加」>「新しい鍵を作成」を選択。

サービスアカウントの新しい鍵を作成

キーのタイプは「JSON」を選び、「作成」をクリック。

秘密鍵の作成

ファイルダウンロード画面が開くので、任意のフォルダに保存しておこう。

Query Hunter 設定(WordPress 管理画面)

テキストエディタでダウンロードしたファイル(.json)を開く。

テキストエディタをもっていないなら、Notepad++ などをインストールしよう

ダウンロードしたJSONファイル

WordPress 管理画面で「Query Hunter Settings」に入り、API Keys 入力欄にファイルの中身をすべてコピペして保存する。

Query Hunter 設定画面

Property Type は、Search Console 画面のプロパティ欄に「https://」があるかどうかで選択が異なる。

GSC プロパティ表示例Property Type
https://example.comPrefix
example.comWeb property

よくわからなければ「Prefix」にしておき、正常に動作していないようなら「Web property」に変更しよう。

Search Console ユーザー追加

最後に、Search Console とサービスアカウントを連携する。

サービスアカウント詳細ページを開き、メールアドレスをコピー。

サービスアカウントメールアドレス

Search Console 画面に移動し、設定 > ユーザーと権限 に進み、「ユーザーを追加」をクリック。

Search Console ユーザー追加画面

先ほどコピーしたメールを貼り付け、権限を「フル」にして追加する。

Search Console 追加するユーザーの情報

以上で設定が完了する。さっそく WordPress 投稿編集画面に入り、データをチェックしてみよう。

Query Hunter 活用方法

ここからは、当サイトの Snow Monkey レビュー記事 を例にしてデータ活用法を解説していく。

Query Hunter 設定後、投稿下部に「QueryHunter」欄が表示されている。

投稿株に表示される QueryHunter 欄

WordPress 内でその投稿のデータがピンポイントで見られる、というだけでも便利だが、Query Hunter は下表のとおり「優先して改善すべき箇所」を教えてくれる。

タブ意味施策例
No Mentions記事内で使われていないクエリタイトルや記事内にキーワードを配置する / 検索意図に合わせて情報を追記する / 関連記事を強化する
Low CTR表示回数は多いのにクリック率が低いクエリ情報を追記する / 新記事を公開して内部リンクでつなげる / タイトルや meta description を改善する
Page 22 ページ目(11~20 位)のクエリコンテンツを改善する / 関連記事を強化する

それぞれの詳細を見ていこう。

No Mentions

「No Mentions」は、記事内では使われていない(言及されていない)が、検索結果で表示またはクリックされたクエリだ。

Query Hunter No Mentions

完全一致のため、実際には記事内で使っているクエリも表示されてしまうが、このデータをもとに以下のような仮説を立てるとよいだろう。

クエリ仮説
wordpress 有料テーマ 口コミSnow Monkey を含む「ブロックエディター対応の有料テーマ」を紹介する記事を書き、独自に口コミを収集して掲載すると需要がありそう
ブロックテーマ 有料
wordpress スノーモンキーテーマ名の読み方(カタカナ)をどこかに入れておくと、検索ユーザーが記事を見つけやすくなるかもしれない

完全一致のクエリをそのままタイトルや見出しに入れるのもよいが、そのクエリで検索したユーザーの知りたいことがきちんと書かれているか、という視点で改善していくのがおすすめ。

クエリに関連したことをまったく書いていないなら、深掘りした記事を新たに公開すれば即インデックス&検索上位に入れる可能性がある。

Low CTR

「Low CTR」は、表示回数が多いのにクリック率が低いクエリを指している。

Query Hunter Low CTR

タイトルや meta description の改善だけでクリック率が伸びる可能性もあるが、そのクエリに関する情報が不十分ではないか、という点にも着目しよう。

クエリ仮説
snow monkey 料金料金に関わる情報(料金体系・支払い方法・退会後どうなるかなど)をもっと詳しく書くセクションを追加するとよいかもしれない

そのクエリをもとに同じ記事に情報を追記するのか、または別記事にして内部リンクでつなげたほうがよいのか、というのは判断が難しいところ。

個人的には、「そのクエリ(上記例でいえば、Snow Monkey の料金)について深く掘り下げた記事構成がパッと思い浮かぶか」で決めている。

どう考えても見出し一つぶんぐらいで情報をカバーできるなら、同じ記事に追記するのでよいと思う。

Page 2

「Page 2」は、11 ~ 20 位につけているクエリ。50 位や 80 位といったクエリを改善するのに比べれば、あと少しで 10 位圏内に入れそうなクエリを改善するほうが簡単だ。

Query Hunter Page 2

検索順位が低い原因はいろいろ考えられるが、そのクエリに関して十分に掘り下げた情報を書いていない可能性が高い。

クエリ仮説
snow monkey editorプラグイン「Snow Monkey Editor」の使い方を詳細に書いた記事を書き、内部リンクでつなげるとよさそう
snow monkey editor 使い方
snow monkey プラグイン「Snow Monkey Blocks」や「Snow Monkey Forms」など関連プラグインの詳細記事を書くとよさそう
snow monkey seoSnow Monkey は SEO に強いのか、どのように設定するとよいのか、さらに強化する方法はあるか、といった記事を書くとよさそう

前述のとおり、記事に追記するか新記事にするかは判断の分かれるところだ。

もし判断がつかないようであれば、実際にそのキーワードで検索し、上位サイトの構成をチェックしてみるとヒントが見つかるかもしれない。

Snow Monkey Editor の詳細を書いている記事が一つもない、または自分のほうがより詳しい記事を書けそうなら、検索上位を勝ち取るチャンスとなる。

Export でデータを保存しておき比較する

Query Hunter のデータをもとに仮説を立てて改善するなら、作業の前にデータをエクスポート・保存しておくとよい。

Query Hunter All Queries データエクスポート

1 週間ごとなど定期的にエクスポートしたデータを比較し、改善の効果があったのか検証してみよう。

CSV 形式のデータなので、Excel や Google スプレッドシートで閲覧できるし、ChatGPT 有料版を使用しているなら「Code interpreter」で分析させるのもよいと思う。

まとめ

過去記事のリライトは、データをもとに判断するのではなく、今の自分のレベルで足りない点をチェックするだけでも有効だ。

ブログの過去記事をリライト・修正するポイント

Search Console のデータをもとに改善したいときは、ぜひ Query Hunter を使ってみてほしい。

新記事執筆と過去記事リライトのバランスをとりながら、ブログ全体を成長させていこう。


著者評価
4.5
プラグイン名Query Hunter
価格0 円~
入手先https://joedavies.gumroad.com/l/queryhunter

Reinx 記事執筆:瀬尾 真

Web 業界歴 20 年の知見と経験をもとに、初心者でも楽しくブログ運営に取り組んでいただけるよう、WordPress や SEO のノウハウを提供しています。Twitter では最新ニュース・小技集を配信中。

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