ブログ初心者が月 1 万 PV を達成するためのブループリント

WordPress でブログを始めるとき、初心者が共通して抱える悩みにはこのようなものがある。

  • 読者の増やし方がわからない
  • アクセス数が伸びない
  • 検索上位に入れない

検索上位に入れるようになるまで待てばよいのか、X や Instagram を始めたほうがよいのか、「具体的に何をすればよいのか」でつまずいてしまう。

そこで、「月 1 万 PV を達成するためのブループリント(大まかな指南書)」を用意した。ブログ運営方法は何パターンもあるので絶対的な正解ではないが、ぜひ参考にしてほしい。

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目次

第 1 章:月 1 万 PV 達成に必要な要素

「月 1 万 PV」と聞くと達成までにかなり時間がかかるように感じるかもしれない。

しかし、分解してみるとそう難しくはないと思う。月 1 万 PV ということは、1 日あたり約 333 PV。100 記事用意すれば、1 記事あたり 3 PV / 日で達成できることになる。

もちろん、すべての記事が等しく読まれるわけではないが、記事数と比例してアクセス数は増える。

初心者が効率を追求するのは間違い

「少ない記事数でも大量のアクセス数を得る」「少ない記事数でも月に何十万円と稼ぐ」といったブログノウハウや成功事例を見たかもしれない。

一定の条件を満たせばそれも可能かもしれないが、初心者にはまず不可能。そうした事例は、それなりの経験を積み重ねた末に達成したもので、だれでも簡単にできるものではない。

一定の条件には「質の高いコンテンツ」も含まれており、クオリティの高い記事を書くためには、やはりそれなりの経験が必要になってくる。

効率よく最短距離を進もうと考えると失敗するし、甘い夢にまどわされると、理想と現実のギャップが大きすぎて途中でやめたくなると思う。

事実、ブログを始めて 1 年後も継続している人はかなり少ない。以下は、総務省が発表したデータだ。

ブログの更新継続率

ブログの実態に関する調査研究(PDF)

残念ながら 2009 年とかなり古いデータであり、現在とはブログの傾向も異なるし(無料ブログサービスで日記を書く人が大半だった時代)、アクセスを集める難易度は今のほうがずっと難しい。

その当時で 30 %ほどしか継続していないのだから、有料の WordPress 利用者が増え、アクセスを集めるのも難しくなった現在はもっと継続率が下がっていると見てよい。

長く続けることが大切

筆者は有料の個別サポートサービスを提供しているが、実のところ 1 年後も精力的にブログを書いている人は 20 %以下だ。全員、結果が出なくてやめたわけではない。一定の収益が得られるようになってもやめる人がたくさんいる。

そのほとんどが、続けることの難しさを実感したため(そのほか、ブログ以外の道を見つけた、というポジティブな理由もある)。

短期間でブログで生活できるほど稼げるようになりたい、と考えるのではなく、何年もかけてブログを育てるつもりでチャレンジしてほしい。

一度稼げるようになればそれで安泰ということもない。たとえば以下のグラフは、ある有名ブログのデータだ。全盛期は月に 35 万以上の検索流入があったが、今では 3,000 ちょっとまで落ちている。

これは、どのようなブログでも起こり得る。これからそうした壁が何度も出てくるが、めげずに続けることが何よりも肝心だ。

インプットとアウトプットを繰り返していく

ここまでの話を整理しておこう。

  • ブログ初心者が短期間かつ少ない記事数で成功するのは無理がある
  • 壁にあたってもめげずに長く続けていくのが肝心

以上をふまえて長期的な目でブログを育てていくには、「インプットとアウトプットの繰り返し」が必要になる。

要は、「ひたすら勉強し、ひたすら書く」ということだ。効率化を求めるのはそのあとの話である。

だれもがいきなりホームランを打てるわけではない。地道に練習を繰り返し、まずはボールにバットを当てることだけ考える。そして、少しずつヒットを打てるようにしていこう。

月 1 万 PV 達成までにかかる時間は人によって違う。1 日に使える時間も違うし、基礎力(=文章を書く力や気力)も違うからだ。だから、人と比べる必要はない。

「何のためにブログを作ったのか」「ブログを書き続けてどうなりたいのか」という最終目標を忘れず、その目標を達成するために小さな目標を 1 つずつクリアしていこう。

第 2 章:必要最低限の WordPress 設定

「ブログのアクセス数が増えないのは、WordPress の設定が間違っているからでは」と考える人は多い。

残念ながらその推測は間違っている。どのような設定をしたところで、コンテンツが低品質であれば何の意味もない。言い方を変えると、「質の高いコンテンツがあれば、初期設定のままでもアクセス数は増える」。

ただ、途中で設定変更すると悪影響を及ぼすものが 1 つだけある。それが「パーマリンク設定」だ。これだけは最初にきちんと設定しておこう。

パーマリンクとは

パーマリンクは、各ページの URL をさす。

ドメイン

example.com

トップページ URL

https://example.com

パーマリンク

https://example.com/post-name/

「パーマ」は「パーマネント」の略で、日本語にすると「半永久的」という意味。

パーマリンク=半永久的なリンク、ということになる。

一度設定した URL はそのままずっと使い続ける、というのが Web の基本だ。よほどの理由がないかぎりドメインや URL は変更すべきではなく、もし変更するとアクセス数が半減する可能性があることを覚えておこう。

Note

ドメインが変わると、必然的に各ページの URL も変わることになる。

https://example.com/post-name/

https://example2.com/post-name/

WordPress のパーマリンク推奨設定

WordPress のパーマリンク設定画面には、よく使われるサンプルが 5 パターン用意されており、このほか任意のタグを使ってかなり自由な設定ができる。

Google が公開している「SEO スターターガイド」や、URL が使われるシーンを考えてポイントをまとめてみよう。

  • できるだけシンプルな構造にする
  • URL に単語を含める
  • あとからカテゴリーや公開日を変更する可能性を考慮する
  • SNS などでシェアされたときのことを考える

以上をふまえたベストな設定は、「投稿名」だ。

https://example.com/post-name/

ほかの形を推奨しない理由は以下のとおり。

「基本」にするURL に単語が含まれない
「年月日」を含める公開日を変更すると URL が変わってしまう
「カテゴリー」を含めるカテゴリーを変更すると URL が変わってしまう

個人ブログで公開日を変更するケースはそう多くないが、カテゴリーは頻繁に整理することになる。

そのたびに URL が変わると、ブックマークしていたユーザーは記事を開けなくなるし、そのページの検索評価もリセットされてしまう(=検索順位がガタ落ちする)。

パーマリンク設定を「投稿名」にしておけば、さまざまなケースに対応できる。

Note

やむをえず URL を変更するときは「301 リダイレクト」を使う。自動的に新しい URL に転送され、検索評価も引き継げる(検索順位を維持できるとはかぎらない)。

パーマリンクは半角英数字とハイフンを使う

大元のパーマリンク設定のほか、ふだんの運営では次の 2 つを覚えておこう。

  • 半角英数字を使う
  • 単語をつなぐときはハイフンを使う

以下の形は NG だ。

https://example.com/ブログの書き方/
https://example.com/blog_writing/

日本語にしてしまうと、SNS でシェアするときに文字化けのような形になってしまう。

https://example.com/ブログの書き方/

https://example.com/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%81%AE%E6%9B%B8%E3%81%8D%E6%96%B9/

変換されるだけならまだしも、日本語を含んだ URL を正常に認識しないサービスもある。そのため、半角英数字を使うのが無難だ。

アンダースコアではなくハイフンを使うのは、Google のガイドラインで推奨されているため。

Google の URL 構造ガイドライン | Google 検索セントラル

検索順位にそこまで影響しないが、Web のお約束として覚えておこう。

Note

すでに日本語やアンダースコアが入っているパーマリンクで記事を公開しているなら、無理に変更する必要はない。どうしても気になるなら、パーマリンク変更時は 301 リダイレクトを忘れずに。プラグイン「Redirection」でリダイレクトを設定・管理できる。

テーマやプラグインは検索順位に大きく影響しない

パーマリンク以外の設定はあとから変更してもとくに問題ない。テーマやプラグインも自分の好きなものを使って大丈夫。

テーマやプラグインのなかには、検索順位に多少の影響を及ぼすものもある。とくにテーマ変更はデザインや HTML 構造が大きく変わるため、順位変動につながる可能性がある。

ただ、「順位が上がる」とはかぎらず、「順位が下がる」ケースもあるから注意してほしい。これは無料テーマでも有料テーマでも同じだ。

どちらにしてもブログ運営初期なら微々たる影響しかなく、仮に 100 点満点で検索上位に入れるとしたとき、テーマが与える影響は 1 点にも満たない。

配点が最も多いのは「コンテンツの質」であり、80 点ぐらいの配点があると考えておこう。もしコンテンツが 0 点だったら、テーマを変更しても 0.5 点ぐらいになるだけだ。

どのような施策も「質の高いコンテンツがあるのが大前提」ということは忘れないでほしい。

第 3 章:どこからブログに訪問するかをイメージする

無料ブログサービスと WordPress の違いはいくつかあるが、「サービス内部での回遊」が最も違うところだと思う。

たとえばアメブロでは、フォロー(読者登録)・ハッシュタグ・ランキングなどで他のブログとつながりをもてる。読者が別のブログを見つけやすく、ブロガー同士の交流もしやすい仕組みがあるのだ。

WordPress にそうした機能はなく、すべて「外部」からアクセスを集めることになる。

無料ブログサービスがショッピングモールのテナントで、WordPress は一軒の店、というイメージに近い。共通する集客方法もあるが、基本的にはまったくの別ものとして考えよう。

とくに無料ブログサービスから WordPress に移行する場合は、考え方を変えないとアクセス数ゼロということにもなりかねない。

WordPress はどこからアクセスを集めるのか

「外部」の代表的なものをあげてみよう。

  • 検索サイト
  • SNS
  • ランキングサイト
  • Google Discover
  • ニュースアプリ
  • 他サイトからのリンク
  • 広告出稿

このうち、安定したアクセスが見込めるのは「検索サイト」だ。

SNS での宣伝もアクセスアップに貢献してくれるが、アカウントを育てるのに時間がかかる上に安定しない。高品質な記事がなければ宣伝しても意味がないので、最初のうちは記事を書くことに時間をあてたほうがよい。

検索ユーザーの行動パターン

「検索サイトからブログにアクセスする」という読者の行動パターンを考えてみよう。

STEP 1
検索するきっかけ

検索するのには、何かしらのきっかけがある。あなたはどのようなときに Google で検索するかを思い出してほしい。以下のようにいろいろなケースがあるはずだ。

何か知りたくなったとき
  • WordPress の始め方を知りたい
  • Excel の VLOOKUP 関数の使い方を見ながら表計算したい
どこかに行きたいとき
  • WordPress 公式サイトに行きたい
  • 近くのラーメン店に行ってラーメンを食べたい
何か買いたいとき
  • 新しいパソコンがほしい
  • ワイヤレスイヤホンを比較して買いたい

ここでは、「Excel の VLOOKUP 関数について知りたい」とする。

STEP 2
検索語句を入力

次は実際に検索することになるが、あなただったら Google の検索窓にどのような語句を入力するだろうか。

Google トップページ

入力する語句は、複数のパターンが考えられる。

  • VLOOKUP
  • VLOOKUP 関数
  • Excel VLOOKUP
  • VLOOKUP 使い方
  • VLOOKUP わかりやすく

どのような語句で検索するにせよ、「Excel の VLOOKUP 関数の使い方を詳しく知りたい」という目的は同じだ。

STEP 3
クリックしてページを開く

検索結果を見て、「この記事がわかりやすそう」とあたりをつけてクリックする。

「わかりやすそう」と判断するポイントは、いくつかあるはずだ。

  • 一番上に出てくるからとりあえず信頼できそうだと思う
  • 自分の目的を果たせそうなタイトルになっている
検索結果
STEP 4
目的を果たせるまで STEP3 のページを順に追う

STEP 3 でアクセスしたページがわかりづらかったり、ページに書かれている解説どおり進めても思いどおりいかなかったときは、検索結果に戻って別のページを探すことになる。

STEP 5
検索行動終了

いずれかのページで目的が果たせたら(VLOOKUP がきちんと使えたなら)、そこで検索は終了となる。

一度で関数の使い方を覚えきれないときは、ブックマークするか、再検索して同じページを見ることもあるだろう。

新しい疑問が出てきた場合は、STEP 1 に戻る。

この行動パターンから、あなたがどのような記事を書けばよいのか見えてくる。

検索サイトからアクセスを集める 2 つの最低条件

前項の STEP 1 ~ STEP 5 でわかるのは、検索サイトからアクセスを集めるための条件だ。

  • 検索ユーザーの状況を推測する(STEP 1)
  • 検索語句(=キーワード)を推測する(STEP 2)
  • 検索上位を目指し、「自分の求める情報がありそう」と思ってもらう(STEP 3)
  • 検索ユーザーの目的を達成できる記事に仕上げる(STEP 4 / STEP 5)

もう少し整理すると、以下の 2 点に絞られる。

  • 自分の書きたいことだけを書くのではなく、検索ユーザーが知りたいことを書く
  • 記事タイトルや本文内に検索キーワードを入れて見つけやすくする

この 2 つをどちらも満たしている記事が「高品質コンテンツ」と言える。

いくら知りたいことを書いていても、タイトルや本文にキーワードが含まれていないと見つけてもらうのは難しい。

かと言って、キーワードだけ含めた記事では検索ユーザーの満足度が低く、検索上位には入れない。繰り返し読んでもらえる可能性も低くなる。

検索ユーザーがキーワードを入力し、あなたの記事を見つけ、クリックしてアクセスするところを想像しよう。この一連の流れをどこまで想像ができるかがポイントとなる。

検索行動を終わらせるコンテンツ=最高品質

前項の 2 つの条件からさらに一歩踏み込むと、「ユーザーの検索行動を終わらせる」のが最高品質のコンテンツと言える。

  • 自分の書きたいことだけを書くのではなく、検索ユーザーが知りたいことを書く
  • 記事タイトルや本文内に検索キーワードを入れて見つけやすくする
  • ユーザーの検索行動を終わらせる

ユーザーの満足度が 100 %に近く、関数を使う上でつまずきそうなポイントもしっかりカバーしていれば、検索ユーザーは再検索することがない。

あなたのブログを読んだだけで、初心者が VLOOKUP 関数を完璧に使いこなせるようになれば文句なし、ということ。

さらに、ブログ全体で Excel に関する情報が充実していれば、検索に戻らずブログの記事をあちこち読んでもらえる。ブックマークして何度も読み返してくれたり、だれかに勧めてくれることもあるだろう。

そうすれば、検索サイトから訪れる新規読者+何度もきてくれるリピーターの両方が増え、PV 数は右肩上がりになっていく。

記事単体の品質も重要だが、ブログ全体の充実度も大切ということだ。

第 4 章:高品質な記事を書く方法

繰り返しになるが、高品質な記事にするためのポイントは次の 2 点。

  • 自分の書きたいことだけを書くのではなく、検索ユーザーが知りたいことを書く
  • 記事タイトルや本文内に検索キーワードを入れて見つけやすくする

これをふまえて、もう少し具体的に解説していく。

引き続き「Excel の VLOOKUP 関数についての記事を書く」という前提で見ていこう。

初心者にありがちな NG 例(1)

まずは、初心者にありがちな NG 例を紹介する。以下のような記事を書いていたら、100 %読まれない。

タイトル:めちゃくちゃ便利!

夏も近づき、暑くなってきましたね。満員電車に乗りたくないので、30 分早く家を出ています…。

そういえばこの間、仕事で Excel でデータ整理を頼まれたんですよ。久しぶりにさわるし、並べ替えとか SUM ぐらいしか使ったことないから、時間かかりそう…と思っていたんですけど…

VLOOKUP ってめちゃくちゃ便利じゃないですか!?

難しそうだと思って使わなかったけど、慣れたら仕事が爆速になりますね。何やら XLOOKUP っていう関数もあるらしく、次回はこれ使ってみたいと思います。

みなさんもぜひ使ってみてください。VLOOKUP 最強です!!

どこが NG なのかまとめてみよう。

  • 記事タイトルにキーワードが含まれていない(検索ユーザーが記事を探せない)
  • 冒頭に記事の本題と関係のない文章がある(検索ユーザーの目的に関係ない)
  • VLOOKUP 関数のどこが便利でどう使うのか、具体的に書かれていない(読むメリットがない)

高品質ではなく、低品質コンテンツの条件を満たしている。

初心者にありがちな NG 例(2)

「記事タイトルにキーワードを含めるとよい」「見出しにもキーワードを含めるとよい」というノウハウの上辺だけをとらえてしまうのも NG だ。

先ほどの記事のタイトルにキーワードを含め、見出しも追加してみた。

タイトル:Excel の VLOOKUP 関数を使ってみた!

夏も近づき、暑くなってきましたね。満員電車に乗りたくないので、30 分早く家を出ています…。

そういえばこの間、仕事で Excel でデータ整理を頼まれたんですよ。久しぶりにさわるし、並べ替えとか SUM ぐらいしか使ったことないから、時間かかりそう…と思っていたんですけど…

VLOOKUP ってめちゃくちゃ便利じゃないですか!?

見出し:VLOOKUP 関数は超おすすめ

難しそうだと思って使わなかったけど、慣れたら仕事が爆速になりますね。何やら XLOOKUP っていう関数もあるらしく、次回はこれ使ってみたいと思います。

みなさんもぜひ使ってみてください。VLOOKUP 最強です!!

タイトルにも見出しにも「VLOOKUP 関数」というキーワードは含まれているが、これはキーワードを含めただけ

「検索ユーザーが知りたいことを書く」という条件を満たしていないため、高品質なコンテンツとは言えない。

初心者にありがちな思い込みを取り除く

NG 例 1・2 ともに、検索ユーザーが知りたいことを書けていない。さらに、以下の思い込みが記事の品質に影響している。

  • ブログをだれか読んでくれていると思っている
  • ブログの記事を最初から読んでくれていると思っている
  • 何の目的があってどこからきているのかイメージできていない

第 3 章でふれたように、無料ブログサービスから WordPress に移行した人は、こうした思い込みが強い。

どこからともなく自分のブログを発見してくれて、自分または自分のブログに興味がある人がいると勘違いしているのだ。

だから、冒頭に「暑くなってきましたね」のような関係のない文章が入るし、「みなさん」という大勢に向けたような記事になってしまう。

検索サイトからアクセスを集めるなら、その思い込みを取り除こう。

  • あなたのブログはだれにも知られていない
  • ブログを読みにきた人は、今までの記事を読んでいない
  • ブログを読みにきた人は自分の目的を果たしたいのであって、ブログを読みたいわけではない

ブログ運営が長くなるとファン(定期的に読んでくれる人)が増えていく。しかし、初期のころはだれもあなたのことを知らないし、ブログの存在も知らない。

まずは、あなたが発信している情報そのものに価値があることを伝えよう。そのためには、検索ユーザーの目的を理解していなければならない。

前章の「検索ユーザーの行動」がまさにそれである。

主役(読者)を意識したタイトルにする

ブログはあなたの考えや経験を伝えるものだが、主役はあくまで読者(検索ユーザー)だ。自分語りに走らないよう注意してほしい。

NG 例(2)のタイトルをもう一度見てみよう。

Excel の VLOOKUP 関数を使ってみた!

これだと、あなたのことを知らない検索ユーザーにとっては「だから何?」としかならない。

検索ユーザーは VLOOKUP 関数の使い方を知りたくて検索している。あなたが VLOOKUP 関数を使ってどう思ったかを知りたいわけではないのだ。

「VLOOKUP 関数の使い方はこのページを見ればわかりますよ」と検索ユーザーに伝えるタイトルにしよう。

Excel の VLOOKUP 関数の使い方を初心者向けに徹底解説!

自分が VLOOKUP 関数の使い方を検索するとしたらどんなタイトルにひかれるか、という視点で考えるとよい。

Note

検索ユーザーが、だれかの商品レビューを読みたい、という目的で検索している場合は「xxx を使ってみた感想」というようなタイトルでもよい。主役である読者の目的に応じたタイトルにしよう。

検索ユーザーの目的を達成する内容にする

検索ユーザーは「VLOOKUP 関数の使い方を知りたい」のだから、記事はそれに合わせた内容にしなければならない。

  • VLOOKUP 関数とは何か
  • VLOOKUP 関数を使うべき場面
  • VLOOKUP 関数の具体的な使い方
  • VLOOKUP 関数と他の関数を組み合わせた応用例

このように、「VLOOKUP 関数の何について知りたいのか」を推測して、それに答える記事に仕上げる。

検索ユーザーの満足度を 100 %にするなら、画像や動画を使ってわかりやすく解説したほうがよいだろう。あなたが検索する立場だったら、そうした記事を求めるはずだ。

見出しは何個使うべきかとか、文字数はどれくらいがよいのかとか、そんな上辺だけのノウハウを気にする必要はない。

記事の内容をわかりやすく整理した結果が見出しの数だし、満足度 100 %の内容にした結果が文字数となってあらわれる。

「VLOOKUP 関数について 1 冊の本を書く」または「VLOOKUP 関数についてスライドを使いながら 1 時間の講義をする」というイメージで記事を書いてみよう。

「新人に Excel の使い方を教える」「友人に VLOOKUP の使い方を教える」というイメージでもよい。とにかく、相手に伝えるところを具体的に想像しながら記事を書くのが一番だ。

記事のイメージがわかないならインプット不足

相手に何かを伝えるイメージがわかないなら、インプットが足りない。

ブログ記事の書き方に関するノウハウが不足しているのではなく、VLOOKUP 関数についての知識が少なすぎる、ということだ。

あなたが興味・関心のあることで、「何も見ずにイチから徹底的に教えられること」は何だろうか。これからブログを育てていくなら、まずは自分が伝えられること・教えられることを整理してみよう。

  • 仕事で Excel を使いこなしている
  • ガンプラを作るのが得意
  • FPS が好きでゲーミング PC を自作している

「そんなものは何もない」と言う人もいるが、それは「自分の価値がわかっていない」だけかもしれない。

今までの人生を振り返り、どんな知識があってどんな経験をしてきたのか書き出してみよう。

何かを知りたくて検索したとき、「この記事は知りたいことが全然書かれていない」「これなら自分のほうがわかりやすく伝えられる」と感じたことがあるなら、そのジャンルで勝負できるかもしれない。

第 5 章:ブログを育てていく

読者も検索サイトも、あなたのブログを知らない。

検索上位に入るためには、少なくとも「あなたのブログはどういうブログなのか」を検索エンジンに伝える必要がある。

2 ~ 3 記事しかない状態ならどんなブログかわからないし、これからどうなっていくのか想像もできない。ブログの土台を固め、検索ユーザーにふさわしいブログであることを検索エンジンに認識してもらおう。

まずは 10 記事を目指す

「ブログは何記事書けばよいのか」を気にする人もいるが、正解はない。書けるなら 1,000 記事でも 2,000 記事でも書いてほしい。

とは言うものの、いきなりそんな目標を立てたらすぐ挫折してしまうので、まずは 10 記事を目指そう。

ただし、先ほどの NG 例のような記事を 10 個書いても意味はない。今のあなたのレベルで 100 % の力を注いだ記事を 10 個書く。

もし Excel に関するブログを作るなら、「VLOOKUP 関数の使い方」について詳しく書いた記事を 1 本仕上げ、次は「XLOOKUP 関数の使い方」、その次は「COUNTIF 関数の使い方」…と進めていく。

どんな記事をどのくらい用意するのか、という設計図を最初に用意する方法もあるが、それは中級以上の話だ。初心者は「自分が書けるところから」書いていく形でまったく問題ない(だから、Excel のブログを作るにしても関数にこだわる必要もない)。

記事を書けば書くほど、自分に足りない点が見えてくると思う。最初はそれでよいのだ。まずはバッターボックスに立って、ボールにバットを当てるところから始めよう。

記事同士をリンクでつなげる

記事を書くたびに、関連性が高い記事同士をリンクでつなげよう。

相互リンク

VLOOKUP 関数記事内のリンク例:XLOOKUP 関数の使い方はこちら
XLOOKUP 関数記事内のリンク例:VLOOKUP 関数の使い方はこちら

WordPress テーマによっては、記事下やサイドバーに自動的に関連記事が表示される。しかし、読者は記事内のリンクのほうが見つけやすいし、検索エンジンも記事内のリンクを高く評価する。

「新しい記事から過去の記事にリンクする」のは実行していても、「過去の記事から新しい記事にリンクする」のは忘れがちだ。

新しい記事を書いたら、過去記事を編集して新しい記事にリンクしよう。ブログ記事は、書いたら終わりではない。今後ずっと編集を繰り返していくことになる。

特定の単語を見つけたら自動的にリンクする、というプラグインもあるが、読者のためにならないし、検索評価も上がりづらい。(半)自動化を考えるのは、もっと経験値を積んでからだ。

必要なページを作っておく

10 記事書き終わったら、ブログに必要なページを作ろう(10 記事書くまでのどのタイミングで作ってもかまわない)。

最低限必要なのは、以下のページ。いずれのページも「固定ページ」で作成する。

お問い合わせページ

お問い合わせページには、お問い合わせフォームを設置しておく。「Contact Form 7」などのプラグインを使えば簡単にできるので、チャレンジしてみよう。

プライバシーポリシー

プライバシーポリシーは、ネット上にひな形がたくさんある。のちのち Google AdSense など広告を設置するときに必要となるので、先に作っておこう。

運営者情報ページ

運営者情報(自己紹介)ページは、「あなたの情報が信頼できる理由」を伝える。
Excel のブログを作るなら、なぜ Excel が得意なのか(長年業務で使用している / 講師をしている / 資格がある、など)を伝えよう。

ナビゲーションを整理する

「ナビゲーション」は、ページ上部(ヘッダー)のメニュー・サイドバー・ページ下部(フッター)のメニューのことだ。

下図のように、ヘッダーに各カテゴリーを配置し、フッターに固定ページを並べるのが一般的な形。

ブログのナビゲーション例

「どのページからでも主要なページにすぐアクセスできるようにしておく」のが最適なナビゲーションなので、いろいろなブログを参考に各メニューを整理してみよう。

検索サイトからアクセスがくるようになるまでの時間

10 記事+必要なページを作成した状態で、すぐ検索サイトからアクセスが集まるわけではない。

どのくらいの時間がたてば検索サイトからアクセスがくるようになるのか、そのジャンルにもよるし、あなたが書いた記事の完成度にもよる。

検索順位は相対的に決められるから、ライバルサイト以上の完成度になっていなければ検索上位には入れない。自分の記事と検索上位の記事を比較してみよう。

アクセス解析や Search Console のデータが気になるかもしれないが、記事数が少ないうちにそんなところを見ても何にもならないし、改善すべき点も見つけられない

運営から 6 ヶ月ほどは記事を書くことに集中し、できれば 3 日に 1 記事ぐらいのペースで記事を書いていこう。

10 記事書いたら、次は 20 記事、30 記事… と小さな目標をクリアしていってほしい。50 記事にもなれば、アクセス解析から改善点を見つけやすくなる。

短期間で成果を出したいのであれば、ふだんの生活でムダな時間を削り、余っている時間をすべてブログにつぎ込むぐらいの勢いが必要だ。

もしブログを本業にして生活したいと考えているなら、「24 時間いつでも自由に書ける」のではなく「24 時間すべてをブログにあてる」生活になると思っておいたほうがよいかもしれない。

第 6 章:SNS でブログを宣伝する

毎日ひたすらブログを書く、というのは苦行に思えるかもしれない。

そこで、「10 記事+必要なページ」を用意した段階で、息抜きもかねて SNS で少し宣伝することも考えてみよう。同じような境遇のブログ初心者とつながりをもつと、モチベーションの維持にもつながる。

ただし、第 3 章でふれたように SNS はアカウントを育てるのに時間がかかる。ただアカウントを作ってブログのリンクを貼っておけばよい、というものではない。SNS は交流する場であり、あなた自身を売る場でもある。

自分のことだけ考えていたら見向きもされず、フォロワーを増やすためには時間をかけて育てなければならない。宣伝目的で SNS を使うなら、以下の点に注意しよう。

  • SNS を見る 1 日の時間を決めておく(あくまで記事を書くのがメイン)
  • 他人の成功事例は疑ってかかる
  • 瞬発的なアクセス数に心を奪われない

1 日の時間を決めておく

時間の取り決めは、子どもに「ゲームは 1 日 1 時間まで」と言うのと同じレベルだが、大人なのだから自分で自分を律しなければならない。

記事を書くのがメインだということは忘れないようにしよう。SNS は補助的な役割にすぎない。

もくもくと書く手ごたえのないブログに比べると SNS はすぐに反応があるから、それが楽しくてやめられない人もいる。また、すぐに返信しなければフォロワーに嫌われてしまうかもと、なかば恐怖心にかられる人もいる。

宣伝目的なら、そこまでのめり込む必要はない。

また、ときには攻撃的な人にからまれるかもしれないし、原因もわからずブロックされることもある。それが気になって何も手がつかなくなるぐらいなら SNS は使わないほうがよい。

気の合う人同士で交流したいなら、もっとクローズドな場を探したほうがよいだろう。

他人の成功事例は疑ってかかる

SNS を見ていると、たくさんの成功事例が目にとまると思う。

「初心者がわずか 1 ヶ月で 1 万 PV を達成した」
「3 ヶ月で 10 万円を稼いだ」

それは本当なのだろうか。数字やキャプチャはいくらでも捏造できるし、そもそもそれが当の本人のものだとはかぎらない。事例は本当だとしても、初心者だと偽っている可能性もある(実際に初心者と名乗る玄人はたくさんいる)。

そんな嘘か本当かわからないものと比べて落ち込む人もいるが、まったく気にする必要はない。あなたは、あなたができる範囲で精いっぱい取り組めばよいのだ。

隣の芝生は青く見えるものだし、本当に青いのか確かめる時間があるなら、1 つでも多く記事を書いたほうがよほど有益だ。

瞬発的なアクセス数に心を奪われない

「#ブログ初心者」などのハッシュタグをつけて投稿すると、フォロワーが少なくてもたくさんの人が見てくれる。

初心者同士で交流を深めたい人もいれば、初心者を相手に何かを売りつけたい人もいるのだが、どちらにせよブログ記事の URL を投稿しておけば今まで見たことのないアクセス数になる可能性がある。

あなたが「ブログ初心者と交流したいからブログを始めた」か「ブログ初心者に商品を売りたい」のであれば、それで何の問題もない。

ブログ初心者を対象としていないのであれば、ブログ初心者にアクセスしてもらっても意味はない。ただ表面上のアクセス数が伸びるだけ。

SNS からの瞬発的なアクセス数に快感を覚えてしまうと、その快感を何度も味わうために SNS に没頭するハメになる。次第に記事のクオリティは落ち、SNS で反応を得ることに時間を使うようになるだろう。

これでは本末転倒だ。

何のためにブログを始めたのか、何のために SNS を始めたのか、思い出してほしい。意味もなくスマホで SNS アプリを開くクセがついているなら危険信号だ。その時間は、記事のネタ探しや執筆にあてよう。

第 7 章:ブログを楽しむことを忘れない

WordPress ブログで月 1 万 PV を達成するまでに必要なことをまとめる。

  • WordPress はパーマリンク設定だけ間違えないようにしておく
  • 読者がどこからブログにやってくるのかイメージし、読者のために記事を書く
  • 最初は 10 記事+必要なページの作成+ナビゲーション整理で土台づくり
  • 記事を増やして関連性の高い記事をリンクでつなげる
  • SNS で宣伝する
  • 短期間で成果を出そうと思わず、地道にコツコツ伸ばしていく

だれもが簡単に到達できる近道は存在しない。もし、一瞬でアクセスを集める方法があったとしても、一瞬で落ちるだけ。

3 日に 1 記事のペースで書き続け、1 年後に 100 記事になっていれば月 1 万 PV に到達しているはずだ(絶対 100 記事必要ということではなく、記事数を増やすほどアクセス数が伸びるという意味)。

もしそれで到達できていないなら、ライバルサイトより記事のクオリティが低いか、どうがんばっても検索上位に入れないジャンル(健康医療系など)で勝負しているか、だ。

ブログに使える時間は人それぞれなので、毎日書けるかもしれないし、1 週間に 1 記事しか書けないかもしれない。そこはだれかと比べるものではないから、あなたのペースで進めていこう。

初心者は「まず経験を積む」ことを意識し、基礎力を養うべきだ。効率化や技術的な SEO を考えるのは、そのあとから。根性論のように思えるかもしれないが、それなりの量をこなさないと、質を高めることはできない

結局は、楽しみながらブログを継続していくのが一番と言える。あせっても何も良いことはない。

ブログが楽しくないと感じているならほかの道を探したほうがよいと思う。お金を稼ぐのが目的なら、効率的な方法はほかにたくさんある。

本当にブログが好きで楽しくてしようがない。でも、結果が出なくて辛いこともあるし、正しい方向に進んでいるのか悩むこともある、という状態であれば、遠慮なく相談してほしい。

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あなたが目標を達成できるよう願っている。

Reinx 記事執筆:瀬尾 真

Web 業界歴 20 年の知見と経験をもとに、初心者でも楽しくブログ運営に取り組んでいただけるよう、WordPress や SEO のノウハウを提供しています。Twitter では最新ニュース・小技集を配信中。

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