WordPress サイトのバックアップには、多少の専門知識が必要となる。初心者には少し難しい作業だろう。
プラグイン「UpdraftPlus WordPress Backup Plugin」を使えば、クリックのみでバックアップ&復元ができる。自動バックアップ設定にしておけば、いざというときにも安心だ。
一般的なブログでの UpdraftPlus 推奨設定と、復元方法を解説していく。
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WordPress バックアップの予備知識
WordPress バックアップの基礎知識は以下の記事で解説している。合わせて読んでおこう。
プラグインでバックアップするさい、以下の 2 点だけは覚えておいてほしい。
しっかりバックアップしているのに、そのデータの使い方や復元方法がわからない、という人は多い。ネットで調べても難解な用語が多く、復旧をあきらめて最初からやり直す人もいるぐらいだ。
知識がなくてもバックアップ&復元できるよう詳細に解説していくので、まずは手順どおりに進めていこう。
UpdraftPlus インストールと初期設定
UpdraftPlus のインストールから初期設定まで解説していく。
01. インストール・有効化
プラグイン新規追加画面で「UpdraftPlus」を検索してインストールし、有効化する。

02. ツアーガイドの確認(スキップ可)
有効化後、以下の画面が表示される。「スタートするにはここをクリック。」をクリックして設定画面に移動しよう。

設定画面に移動したらガイドが表示されるので、「次へ」をクリックして説明を見ていく。
※ 本記事の手順に従うならガイドは不要なので、「ツアーを終了」しても OK

最後まで見て「完了」をクリックすると、ガイドが消える。

03. 初回のバックアップ
最初に、操作に慣れるためにも現時点でのバックアップをとっておこう。クリックするだけなので簡単だ。
「バックアップ / 復元」タブを選択し、「今すぐバックアップ」をクリック。

「バックアップにデータベースを含める」「バックアップ内のすべてのファイルを含める」の両方にチェックが入っていることを確認し、「今すぐバックアップ」をクリック。

すぐにバックアップ作業が始まる。記事数が少なければ数秒で完了するので、そのまま待っておこう。

「バックアップの実行が終了しました」と表示されたら、「
閉じる」をクリック。
バックアップデータは、同じ画面の下部に表示されている。

04. 自動バックアップ設定
毎回手作業でバックアップするのは面倒なので、「設定」タブに移動して自動バックアップ設定をしておこう。
初期状態ではファイル・データベース共に「手動」となっており、保存数はそれぞれ「2」となっている。

UpdraftPlus 無料版では、以下のタイミングで自動バックアップできる(有料版にしないと細かい時刻指定はできない)。
- 手動
- 2 時間ごと
- 4 時間ごと
- 8 時間ごと
- 12 時間ごと
- Daily(毎日)
- Weekly(毎週)
- Fortnightly(隔週)
- Monthly(毎月)
ブログの更新頻度によって最適なタイミングは変わる。下表を目安に設定しておけば、それほど困ることはないだろう。タイミングに合わせ、1 ~ 2 ヶ月分のデータを保存するようにしておけば安心だ。
更新頻度 | データ | スケジュール | 保存数 |
---|---|---|---|
月 1 回 | ファイル | 毎月 | 2 |
データベース | 毎月 | 2 | |
週 1 回 | ファイル | 隔週 | 2 |
データベース | 毎週 | 4 | |
週 3 回以上 | ファイル | 毎週 | 4 |
データベース | 毎日 | 30 |
自動バックアップのスケジュール・保存数を設定したら、ページ下部にある「変更を保存」をクリックして完了。

通常の環境なら、とりあえずここまでの作業を行っておけば問題ない。
バックアップデータの保管方法・保存先変更
初期状態では、バックアップデータはサーバーに保存されるようになっている。
めったにないことだが、サーバーのトラブルで全データが消えると、バックアップデータも消えてしまう。あるいは、トラブル対応を間違って WordPress 本体を再インストールすると、同じくバックアップデータは消える。
これを回避するために、バックアップデータを安全な場所に保存しておこう。ここでは以下の 3 パターンを紹介する。
- 管理画面からバックアップデータをダウンロード
- FTP でバックアップデータをダウンロード
- バックアップデータ保存先を変更する
管理画面からバックアップデータをダウンロード
UpdraftPlus「バックアップ / 復元」画面の下部に、バックアップデータが並んでいる。
各ボタンをクリックしてパソコンにデータをダウンロード&保管しておけば、トラブルにあっても復元可能だ。完全復旧するにはすべてダウンロードしておく必要がある。

FTP でバックアップデータをダウンロード
管理画面に入らず、FTP 経由でデータをダウンロードすることもできる。ファイルは「wp-content」内にある。
※ 「uploads」などデータの容量が多い場合はファイルが分割される
wp-content
updraft
backup_2023-03-01_xxx-db.gz
backup_2023-03-01_xxx-others.zip
backup_2023-03-01_xxx-plugins.zip
backup_2023-03-01_xxx-themes.zip
backup_2023-03-01_xxx-uploads.zip
以下は Filezilla で接続した様子。赤枠内のデータをダウンロードしておけばよい。

バックアップデータ保存先を変更する
管理画面または FTP でデータをダウンロードするのは、手動バックアップと同じぐらい手間がかかる。完全自動化したいなら、あらかじめデータの保存先を変更しておこう。
WordPress バックアップ用の Google アカウントを作成し、Google Drive を保存先にするのがおすすめだ(先にアカウントを作成しておくとスムーズ)。
「設定」タブを開き、「Google Drive」をクリックしていったん「変更を保存」する。

「リモートストレージの認証」という案内が表示されるので、「Sign in with Google」をクリック。

Google ログイン画面に移動したら、バックアップデータを保存しておくアカウントを選択。

確認画面が表示されたら「許可」をクリック。

UpdraftPlus ロゴが表示されたオレンジ色の画面になったら、「Complete setup」をクリック。

「成功」メッセージが表示されたら連携完了だ。

Google Drive に「UpdraftPlus」ディレクトリが自動的に作成されており、以後はデータがそこに保存されていく。

バックアップデータから復元する方法
UpdraftPlus のバックアップデータを使って復元する方法はいくつかあるが、以下の 3 パターンだけ覚えておけばよいと思う。
- UpdraftPlus 画面でバックアップデータを確認できる
- UpdraftPlus 画面にバックアップデータがない&パソコンにデータがある
- UpdraftPlus 画面にバックアップデータがない& Google Drive にデータがある
UpdraftPlus でデータが表示されている場合
UpdraftPlus 画面「バックアップ / 復元」の「既存のバックアップ」にデータが表示されているなら、巻き戻したい日時の「復元」ボタンをクリック。

コンポーネント選択画面に切り替わるので、完全復旧するならすべて選択して「次へ」をクリック。

バックアップデータの読み込み完了まで待ち、「復元」をクリック。

「Restore successful!」が表示されたら、「UpdraftPlus 設定に戻る」をクリック。

これで元通りになっているはずなので、確認してみよう。
パソコンにだけデータが残っている
「UpdraftPlus 画面にバックアップデータは表示されていないが、パソコンには保存してある」という場合は、「バックアップファイルをアップロード」を選択する。

パソコンのデータをドラッグ&ドロップする。

アップロード完了後、「復元」ボタンをクリック。あとは前項と同じ手順だ。

Google Drive にだけデータが残っている
「UpdraftPlus 画面にバックアップデータは表示されていないが、Google Drive には保存してある」という場合は、Google Drive と再接続する。

接続完了後、「リモートストレージを再スキャン」をクリック。

「リモートストレージのスキャンから1つ以上のバックアップが追加されました」というメッセージが表示されたら、「復元」をクリック。

あとは前項と同じ手順だ。
バックアップに関する FAQ
バックアップデータの容量はどれくらい?
記事数・プラグイン数・画像枚数など、ブログの環境によって異なる。10 記事で 100 MB 前後、100 記事で 500 MB 前後が一応の目安(Reinx 調べ)。
サイトヘルス情報に正確な数値が出ているので、チェックしておこう。

サーバーの自動バックアップ機能だけじゃダメ?
大きなトラブルに見舞われてサーバーにログインできない or 全データが消失してしまう、という可能性もある。プラグインでバックアップして自分でデータを保管しておけば、他のサーバーへ移転できるし、データが消失しても復旧可能だ。
UpdraftPlus 設定方法まとめ
本記事で解説した UpdraftPlus 設定手順は以下のとおり。
- UpdraftPlus をインストール
- 手動で初回バックアップデータを作成
- 更新頻度に合わせて自動バックアップ設定
- 必要に応じてデータ保存先を Google Drive などに変更
たとえサーバーのデータが丸ごと消失しても、パソコンか Google Drive などの外部ストレージにデータが残っていさえすれば、簡単に復元できる。いざというときのために、UpdraftPlus でバックアップをとっておこう。
WordPress 初心者向けプラグインや使用上の注意点はこちら
プラグイン名 | UpdraftPlus WordPress Backup Plugin (Free) |
---|---|
価格 | 無料 |
公式ディレクトリ | https://ja.wordpress.org/plugins/updraftplus/ |
記事執筆:瀬尾 真
Web 業界歴 20 年の知見と経験をもとに、初心者でも楽しくブログ運営に取り組んでいただけるよう、WordPress や SEO のノウハウを提供しています。Twitter では最新ニュース・小技集を配信中。
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