読みやすいブログにするためには、フォントの種類・行間・余白といった全体のデザインが関わってくる。
しかし、どんなに素晴らしいデザインになっていても、文章の書き方によっては一気に読みづらくなってしまう。枠線(ボックス)や強調などの装飾も、多用すればいいというものではない。
読みやすい記事を書くための基本と、細かいテクニックを学んでおこう。
ブログ運営に役立つヒントを定期的にお届けします。購読者のみ閲覧できる限定コンテンツも無料配信中。
目次
読みやすいブログとは
「読みやすいブログ=流し読みやすい記事」と覚えておいてほしい。
記事を書く側として、一字一句間違えないよう丁寧に仕上げるのは当然のことだ。でも、ユーザーは一字一句読むことはない。
たいていは、自分のほしい情報がありそうな部分だけに集中し、そのほかはザッとスクロールして素通りしてしまう。あなたも検索して何かを探すときは、同じようにするのではないだろうか。
流し読みしやすい記事を書くための基本
流し読みしやすい記事を書くために、以下の 3 つが重要になってくる。
- 記事タイトル
- 見出し(目次)
- 強調(装飾)
「記事タイトル・見出し・強調箇所」だけをざっと読んで、記事の内容がある程度わかるようになっているのが理想、ということだ。
記事タイトル | ユーザーが最初に目をとめる部分。記事の内容を的確に表すものにしよう。 読まれるブログ記事タイトルの付け方 |
---|---|
見出し | ユーザーが必要な情報を探すきっかけとなる部分。記事全体のポイントを伝えるものにしよう。 適切な見出しの付け方 |
強調 | ユーザーが流し読みするときに注目する部分。強調を多用すると逆に目立たなくなるので注意しよう。 ブログデザインの基礎 |
上記の 3 点に加え、文章そのものの書き方やリスト・表の活用などが読みやすさに関わってくる。次に、そうした細かいテクニックを解説していく。
読みやすい記事にするためのテクニック
01. 指示語を多用しない
「これ」「それ」といった、「こそあど言葉」と呼ばれる指示語を多用すると、流し読みしづらくなってしまう。
よく見られるのは、見出しと本文を連続させたような書き方だ。
NG 例
H2:記事タイトルにキーワードを含める
これはとても重要です。でも、キーワードだけを意識して不自然にならないよう注意してくださいね。
改善例
H2:記事タイトルにキーワードを含める
記事タイトルにキーワードを含めるのは、とても重要です。でも、キーワードだけを意識して不自然にならないよう注意してくださいね。
「これ」が見出しを指しているのか、その直前の本文を指しているのか、ユーザーには伝わらない。
見出しは章のタイトルと同じで、本文とは切り離して考えたほうがよい。くどいように見えるかもしれないが、見出しは必ず読まれる、という考え方を捨てるとよいだろう。
02. リスト・表を活用する
すべて文章で説明しようとすると、ユーザーは長文を読まされることになる。
読んでわかる記事ではなく、見てわかる記事づくりを意識してほしい。一部をリストや表にするだけで生まれ変わるはずだ。
NG 例
WordPress でブログを運営するのに最低限必要なのは、サーバー・ドメイン・WordPress 本体です。
改善例
WordPress でブログを運営するのに最低限必要なのは、次の 3 つです。
- サーバー
- ドメイン
- WordPress 本体
内容によっては一文にしたほうが読みやすくなるかもしれないし、リストだらけなのもまた読みにくい。
適度なバランス感覚が要求されるものの、重要なポイントはリスト形式のほうがおすすめ。不要な装飾も削れるし、パッと見てわかる記事になる。
03. 一文を短めにする
Web の文章は、短いほど読みやすい。
文字数ありきで考えないほうがよいと思うが、長めになるクセがあるなら「60 文字以内」を心がけるとよいだろう。くどい言い回しを避け、できるだけかんたんな語句に置き換えるのも効果的だ。
NG 例
ブログの一文が長くなりすぎる理由を考察してみると、おそらく自分の書きたいことだけを思いつくままに書きなぐっていて、読む人のことを考えず、どうすれば読みやすくなるかという視点が欠如しているからだと思われます。(103 文字)
改善例
ブログの一文が長くなりすぎるのは、自分の書きたいことを思いつくままに書いているからです。(44 文字)
どうすれば読みやすくなるか、という視点をもとに改善しましょう。(31 文字)
一文を長くすることに、とくにメリットはない。
ブログ記事の主役は、書き手ではなく読み手である。ユーザーを無視した文章にならないよう注意しよう。
04. こまかな改行を入れない
一文の途中でこまめに改行を入れる書き方もあるが、それは「パソコンでしか見られなかった昔の書き方」だ。
今はスマホユーザーのほうが多く、端末によって一行に表示される文字数も異なる。こまかい改行は逆に読みづらくなるため、句点(。)までは改行を入れないほうがよい。
NG 例
ブログの一文が長くなりすぎるのは、
自分の書きたいことを
思いつくままに
書いているからです。
どうすれば読みやすくなるか、
という視点をもとに
改善しましょう。
改善例
ブログの一文が長くなりすぎるのは、自分の書きたいことを思いつくままに書いているからです。
どうすれば読みやすくなるか、という視点をもとに改善しましょう。
句点ごとに改行するか、または段落にするかは、個々の好みの問題だ。正解はない。
一文ごとに段落を分ける書き方だと、幼稚な印象になるかもしれない。フォントサイズにも関わってくるから、いろいろなブログを読んで自分が読みやすいと思うスタイルをマネしてみよう。
05. 同じ語尾が続かないようにする
一文の最後「です」「ます」が連続していたり、繰り返されていると、全体的に単調な文章になってしまう。
「~しれません」「~でしょう」など、語尾のバリエーションを増やすと、ほどよいリズム感が生まれて読みやすい文章になる。「です」「ます」を削ってみたり、倒置法を使ってみるのもおすすめ。
NG 例
文章を書くのは思っていたより難しいです。同じことを伝えるのでも、表現方法は人それぞれです。
とある人におすすめされた「沈黙の Web ライティング」を読んでみたいと思います。この本で勉強します。
改善例
文章を書くのは思っていたより難しい。同じことを伝えるのでも、表現方法は人それぞれですからね。
とある人におすすめされた「沈黙の Web ライティング」。まずはこの本を読んで勉強します。
ほかにも、「主語と述語を近づける」「意味が伝わるなら接続詞を削る」といったテクニックがある。
記事を書けば書くほど自分なりのスタイルができあがっていくので、たくさん読んでたくさん書いていこう。何度でも書き直せるのがブログのいいところだ。
06. 漢字を多用しない(漢字をひらく)
漢字をひらがなにすることを、「漢字をひらく」と言う。
ひらいたほうが読みやすい漢字がいくつかあり、「出来る」や「是非」などはその代表的なものだ。
NG 例
ブログでお金を稼ぐのは、誰にでも出来ることではありません。
でも、家に居ながら仕事が出来るという夢があります。この機会に是非始めてみて下さい。
改善例
ブログでお金を稼ぐのは、だれにでもできることではありません。
でも、家にいながら仕事ができるという夢があります。この機会にぜひ始めてみてください。
絶対的なルールではなく、どの漢字をひらくかは運営者の考え方次第。Web ライターとして活動する場合も、クライアントによって指示が異なると思う。
自分のブログであれば、ブログ内でルールを統一しておこう。ルールを決めるうえで参考書がほしいときは、記者ハンドブックが役に立つ。
07. 呼吸や意味の切れ目に読点を入れる
少し長めの文で、まったく読点(、)を入れていないとかなり読みにくい。
自分の文章を音読してみて、息継ぎしても不自然ではないところに読点を入れるとよい。
NG 例
読点をどこに入れるとよいかは一文の長さや書き手のクセによって異なりますがまったく使われていないと読む気が失せます。
かと言って、読点を、入れすぎた、文章は、幼稚園児が書いたように、見えますね。
改善例
読点をどこに入れるとよいかは、一文の長さや書き手のクセによって異なりますが、まったく使われていないと読む気が失せます。
かと言って、読点を入れすぎた文章は、幼稚園児が書いたように見えますね。
「私は泣きながら仕事に行く彼を見送った」など、読点の場所で意味が変わってくる文章もある。
「私は泣きながら、仕事に行く彼を見送った」
「私は、泣きながら仕事に行く彼を見送った」
主語と述語の距離が遠い文章がクセになっているなら、意味がきちんと伝わるか見直してみよう。
08. 半角英数字の前後に半角スペースを入れる
半角英数字を使うときは、前後に半角スペースを入れると読みやすくなる。
「!」や「?」など、記号のあとにも半角スペースを入れるのがおすすめだ。
NG 例
ブログを運営するならWordPressがおすすめです。
記事を書くだけならHTMLやPHPの知識はいりません!まずは100記事を目標に書いてみましょう。
改善例
ブログを運営するなら WordPress がおすすめです。
記事を書くだけなら HTML や PHP の知識はいりません! まずは 100 記事を目標に書いてみましょう。
Google 検索セントラルのドキュメント も、同様に半角スペースが入れられている。
ただし、letter-spacing
で字間を広めにしているなら、少し間延びした印象になるかもしれない。絶対的なルールではないので、デザインに合わせて調整してほしい。
09. 装飾ルールを統一する
本文内の強調したい部分がカラフルになっていたり、枠線(ボックス)が多用されていると、かなり読みづらい文章になる。
あれもこれも装飾してごまかすのではなく、真に強調したい部分だけ目立たせるようにしよう。
NG 例
装飾のポイントは、できるだけシンプルにすること。
大文字にしたり赤文字にしたり下線を入れたりと、ルールが統一されていない装飾は読みづらいだけです。
意味のない会話(吹き出し)も、できるだけ使わないようにしましょう。
そうだね!
改善例
装飾のポイントは、できるだけシンプルにすること。
大文字にしたり赤文字にしたり下線を入れたりと、ルールが統一されていない装飾は読みづらいだけです。
意味のない会話(吹き出し)も、できるだけ使わないようにしましょう。
吹き出しを使うべきかは記事のテイストにもよるので、一概には言えない。たとえば、英会話の例文を載せるのであれば、ただ文章にするより会話形式のほうがわかりやすいだろう。
ヒートマップツールなどで、会話文が実際に見られているのか調べてみてほしい。
まとめ
本記事で紹介したライティングテクニックをまとめておく。
- 指示語を多用しない
- リスト・表を活用する
- 一文を短めにする
- こまかな改行を入れない
- 同じ語尾が続かないようにする
- 漢字を多用しない(漢字をひらく)
- 呼吸や意味の切れ目に読点を入れる
- 半角英数字の前後に半角スペースを入れる
- 装飾ルールを統一する
こうした細かいテクニックが役に立つ場面もあると思うが、根底にあるのは「すべてのユーザーにわかりやすいと思ってもらえる記事を書くこと」だ。
どんなに読みやすい文章でも、1 枚の写真にかなわないこともある。
必要なところには写真や図解を使い、より多くのユーザーに支持されるブログにしていこう。
NEXT ブログの書き方完全ガイド
記事執筆:瀬尾 真
Web 業界歴 20 年の知見と経験をもとに、初心者でも楽しくブログ運営に取り組んでいただけるよう、WordPress や SEO のノウハウを提供しています。Twitter では最新ニュース・小技集を配信中。
メールマガジン
限定情報を無料配信中
